LiebenMut(リーベンムート)
吉岡 愛さん
起業のきっかけ
この事業は、夫の夢から始まりました。
勤務医として働く夫が、「いつか自分たちの場所を持ちたい」と語っていたことがきっかけです。
その想いを形にするため、自宅と勤務先の途中に位置する香川県三豊市の古民家を購入し、民泊施設として再生する計画が動き出しました。
しかし、工事の途中で、最愛の夫が突然この世を去りました。
あまりにも大きな喪失の中で、しばらくは前を向くこともできませんでした。
これからどう生きていけばいいのか、その答えを見つけることもできないまま、時間だけが過ぎていきました。
それでも立ち上がることができたのは、4人の子どもたちの存在があったからです。
中でも、当時17歳だった末っ子が「お父さんのやりたかった民泊を引き継ぎたい」と言ってくれたことが、大きな転機となりました。
その一言が、止まっていた時間を再び動かしてくれました。
49日を過ぎた頃、私たちは再び歩き出しました。
未完成だった民泊事業を、三男が引き継ぐという形で。

未来にむかって
現在は、末っ子がアイデアや広告を担当し、私はその背中に引っ張られるように進んでいます。
親として導くというよりも、共に支え合いながら進んでいる感覚に近いかもしれません。
ターゲットは、都会に住む富裕層の方々です。
日常から離れた特別な時間と空間を提供したいと考えています。
一方で、「知ってもらうこと」の難しさも痛感しています。
どれだけ想いを込めても、存在を知られなければ選ばれることはありません。
その現実と向き合いながら、試行錯誤を重ねています。
この事業は、単なる宿泊施設ではなく、夫の夢であり、家族の再出発の象徴です。
これからも子どもたちとともに、明るく前を向いて歩んでいきたい。
そして、この場所を訪れる方にも、何か心に残る時間を届けていきたいと考えています。
